※原文を掲載して解答に代えます。
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彼はまっすぐ歩き、広い道路に出ると、そのまま一定の[歩調]で、ゆっくりと歩いていった。この街にくるのもこれが最後かもしれない、と、信介は考えた。それほど深刻に考えることではなかった。だが、信介にとって、もうこの街は自分に[関わりあい]のない場所になるのだ、と考えると、それはそれで[一種]の感慨があった
~~~~~~~~~~~~~~~~~※五木寛之(いつき・ひろゆき):[1932~] 小説家・随筆家。
※「青春の門」:1969(昭和44)年に週刊誌(「週刊現代」)での連載開始。太平洋戦争中に福岡・筑豊の地に生まれた伊吹信介の青春の彷徨を描く。幾度かの中断を経て書き継がれ、最近では2017(平成29)年から約1年半連載されたものが、2019(令和元)年に「新青春の門・第9部・漂流篇」として単行本刊行されている。今までに映画化二度、テレビドラマ化三度。